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松井秀樹日記

幸せは空の上に
2011.4.26 快晴

最近、テレビで坂本九の「上を向いて歩う」がよくかかっています。
特にサントリーのコマーシャルで歌われるこの曲は当代の人気スター
のみなさんがそれぞれの思いを込めて歌っており、大震災で被災した
方々でなくとも、ジーンと泣けてきます。

そんなわけでこの曲を久方ぶりに思い出し、口ずさんでいますと、
つくづくこの歌詞が名詩であることを感じます。作詞家としてはこれ一曲の
ために自分は生れてきたと思ってもいいぐらいの詩ではないでしょうか。

ところで
   「 ・・・・・・・・
    思い出す夏の日 
    一人ぽっちの夜
    幸せは雲の上に
    幸せは空の上に」

の箇所を口ずさんでいて、なぜ、幸せは雲の上に、空の上に
あるのだろうと、私は考えてしまいました。
幸せはこの地上に、幸せはこの心の中に、ないのだろうか?

しかし、この曲ではあくまでも涙がこぼれないようにするために
上を向いて歩いているのだから、そして今は夏の夜空を見上げて
歩いているのだから、幸せは星空の上にあるのだろう。

こんなとりとめもないことを考えているうちにサン・ティグジュペリ
の「夜間飛行」という「星の王子様」と並ぶ傑作を思い出しました。
あの小説では、夜の暴風雨に翻弄された果てに、プロペラ飛行機
で嵐を突き破った時、月光に輝く夜の雲海の上にある世界、天上の世界
を見、その後に飛行機の燃料が切れ、地上に激突します。

作者のサン・ティグジュペリも第2次大戦中、地中海の空の上に
その消息を絶ちます。彼の飛行機はドイツ空軍によって撃墜された
という話が伝わっています。彼にとって幸せは空の上にはなかった
のかもしれません。しかし、それは彼にしかわからないことでしょう。

そうなのだ、幸せの場所に、万人共通の場所は、決してない。
いや、違う。
幸せは、われわれの心の中にあるのだ。

投稿者 司法書士 松井秀樹 (2011年4月26日 12:17) | PermaLink

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