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松井秀樹日記

成年後見18-耳を澄ませば
2011.4.28 晴れ

事務所前の一方通行の道路をはさんで向かいに、入新井第一小学校の正門が
あり、その先はすぐ校庭と校舎になっています。地元ではこの小学校のことを大森の
学習院と呼んでいるようですが、あくまで東京の下町の小学校という風情です。

午後の時間帯になると時々、校舎から音楽が聞こえてきます。
最近はスタジオジブリで制作されたアニメ作品で使用された曲が流れています。

その中で「カントリー・ロード」という曲も流れてきます。
ああ、これは私の娘の大好きな映画「耳をすませば」で使われた曲です。
物語作家をめざす少女とバイオリンを製作する職人になろうとする少年の
恋物語であったなあ~、とか思いながら、しばし、難しい裁判書類作成の
手を休め、聴き入ったりします。

そういえば、成年後見の分野でも、後見人は耳を澄ましていなければならないと
いった講師がいました。とてもいい表現です。自分の苦しみをきちんと伝えること
ができない被後見人に相対する時、耳を澄ましていないと、その声を聴き取ること
はできません。後見人は被後見人の代弁者であるということも、この姿勢があって
はじめて実現できるのです。

こんなことを思っているうちに、校舎からは今度は「ハウルの動く城」の曲が流れ
はじめました。この映画は私も大好きでした。
時折、小学生達が「となりのトトロ」の主題歌を歌い歩いている場景にも出会います。
小学校の向かいに事務所があってよかった、と思う瞬間です。
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幸せは空の上に
2011.4.26 快晴

最近、テレビで坂本九の「上を向いて歩う」がよくかかっています。
特にサントリーのコマーシャルで歌われるこの曲は当代の人気スター
のみなさんがそれぞれの思いを込めて歌っており、大震災で被災した
方々でなくとも、ジーンと泣けてきます。

そんなわけでこの曲を久方ぶりに思い出し、口ずさんでいますと、
つくづくこの歌詞が名詩であることを感じます。作詞家としてはこれ一曲の
ために自分は生れてきたと思ってもいいぐらいの詩ではないでしょうか。

ところで
   「 ・・・・・・・・
    思い出す夏の日 
    一人ぽっちの夜
    幸せは雲の上に
    幸せは空の上に」

の箇所を口ずさんでいて、なぜ、幸せは雲の上に、空の上に
あるのだろうと、私は考えてしまいました。
幸せはこの地上に、幸せはこの心の中に、ないのだろうか?

しかし、この曲ではあくまでも涙がこぼれないようにするために
上を向いて歩いているのだから、そして今は夏の夜空を見上げて
歩いているのだから、幸せは星空の上にあるのだろう。

こんなとりとめもないことを考えているうちにサン・ティグジュペリ
の「夜間飛行」という「星の王子様」と並ぶ傑作を思い出しました。
あの小説では、夜の暴風雨に翻弄された果てに、プロペラ飛行機
で嵐を突き破った時、月光に輝く夜の雲海の上にある世界、天上の世界
を見、その後に飛行機の燃料が切れ、地上に激突します。

作者のサン・ティグジュペリも第2次大戦中、地中海の空の上に
その消息を絶ちます。彼の飛行機はドイツ空軍によって撃墜された
という話が伝わっています。彼にとって幸せは空の上にはなかった
のかもしれません。しかし、それは彼にしかわからないことでしょう。

そうなのだ、幸せの場所に、万人共通の場所は、決してない。
いや、違う。
幸せは、われわれの心の中にあるのだ。

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スズラン

2011.4.22 曇り

いま、横須賀の私の自宅周辺には八重桜が満開となり咲き競っていますが、
通勤で、自宅から駅までの道を自転車で走っていると、道路沿いの道端の
ところどころにスズランが咲いています。

私は以前より宮沢賢治の文学を愛読しているせいか、スズランを見かけると
この世界が様々な動物や植物の精に満ちていて、スズランの鐘の音が
シャリーン、シャリーンと響いてくるようで、ラッシュアワーの電車に乗る前
の時間帯が少しうれしくなります。

さて、今日は夜まで予定がびっしりです。
不動産売買、成年後見の仕事、家屋明渡訴訟の訴状作成、司法書士の
青年会の方々との会合、最後は横須賀中央である作家さんを囲んだ
飲み会です。そういえば昨日、キャンディーズの田中好子さんが亡くなった
とか・・・。時代は激流のように過ぎ行きます。

私は心の中で、今朝見かけたスズランを想い浮かべます。
久遠の国から一瞬、スズランの清浄な音楽が、心の中に響いてまいりました。
この世界は美しくもあり、悲しくもあります。

 

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働くことは祈ること(Working is praying.)
2011.4.20 晴れ

毎日、大震災のニュースを見たり、読んだりしていて、ふと英語の格言
「Working is praying.」という言葉を思い出しました。

家族を失い、恋人を失い、友人を失い、家や財産を失い、仕事を失った人々は
どうするのか、何が人々を救うのか。

かりに自分の身体が健常であるならば、新しい仕事を見つけだし、働くことは
可能です。人を絶望から救うのは、神では仏でもなく、多くの場合、働くこと
なのだと思います。

「Working is praying.」直訳すると「働くことは祈ることである」という言葉は
どのような場面で発せられた言葉なのか知りませんが、私にとって普遍的な
「コトバ」になった次第です。
投稿者 司法書士 松井秀樹 | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
成年後見17-東日本大震災
2011.4.19 雨のち晴れ

3月11日発生した東日本大震災は、成年後見の分野にも甚大な影響を与え続けいます。
まず、岩手・宮城・福島の3県において、被後見人の方々は5000人強いらっしゃると
最高裁は発表しています。

しかしながら、この方々全員の安否はまだ確認されていません。
かつ、この方々の後見人全員の安否もまだ確認されていません。

このような大災害の際、もっとも弱い立場に追いやられてしまうのが
被後見人の方々です。判断能力が著しく低下している以上、ご自分で
身を守ること、ご自分で行動することが困難であるからです。

さらに今回の大震災ではいわゆる「震災孤児」も数多く生じたといわれています。
その実数は把握されていませんが、両親を亡くした子供がどうやって生きていくのか、
今後は未成年後見人の選任も増えると予想されています。

さて、われわれは何をなすべきなのか、
各人ができることを持続してやっていくしかないと思っています。
しかし、夜明けのこない夜はないように、いつか闇夜は明けるものです。
がんばりましょう。

投稿者 司法書士 松井秀樹 | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
   
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